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ブラウン大学のMolecular Pharmacology and Physiology Programの紹介

  • Writer: Yusuke Suita
    Yusuke Suita
  • Sep 14, 2018
  • 3 min read

(想定閲覧時間: 5~10分)

アメリカの博士課程で研究をする意味とは

1人前の研究者になるためには避けて通れない道。それは博士課程でRigorousなトレーニングを受け、特定の分野で研究をできる能力、およびその研究結果を世の中に伝える能力を培うことです。しかし、近年、日本では博士号を取得する環境が、高等教育・研究環境・資金事情を含め、とても複雑化しています。また現在のグローバル化の進んでいる状況下では、研究者には、国をまたいでコラボをする力、およびその研究結果を英語で世界に向けて発信する力等が求められています。

これらを考慮した時に、アメリカでの博士課程でトレーニングを受けるのが最善と判断し、私は渡米致しました。

今回は、私が所属するブラウン大学のMolecular Pharmacology and Physiology (MPP)を紹介させていただきたいと思います。

MPP programの概要

ブラウン大学のMPP programは、生物学・医療分野(特に分子薬理学と生理学)でキャリアを築ける様に、そのトレーニングを提供しているプログラムです。トレーニングの内容としては、下記の基準をパスする必要があります

- 計5つの必須科目でB以上の良い成績を納める

- Prelim(2年目の最後に自分の研究のプロポーザルを作成し、Committeメンバーに提出)

- Qualifying Exam(自分のプロポーザルをCommitteメンバーに対して口頭で発表)

- Thesis defense (Prelim/Qualifying Examでパスしたプロポーザルを基に行った研究成果をCommitteeメンバーに発表)

上記に加えて、1年目には、3つの研究室で研究を行い、研究結果を発表する。

2年目には、Teaching Assistantというポジションで、教授が薬理学か生理学の授業を教える際にReview sessionを開くなりしてアシストすること等、行うことが色々あります。

MPP programの差別化ポイント

必須科目で良い成績を納めること・Qualifying Exam・Thesis defense等のカリキュラムは、他の大学やProgramでも見受けられますが、MPP programが他のProgramと異なる点としては下記のものがあります。

1. 少数精鋭 - 1学年4人のみで、生徒に教授の目が渡りやすく、生徒は教授にアプローチしやすい。

2. カリキュラムのFlexibityが高い - 選択科目の割合が多く、自分が好きな様に授業のカリキュラムを構築できる。さらに、研究分野でも分野横断でCommitteを形成することが可能。

3, 特定分野での深い知識を養うのにフォーカス - 必須科目で、特定分野(薬理学・生理学) の知識・Grant writing/Presentationの基礎スキルを固める。細胞生物学・生化学プログラム等とは異なり、薬理学・医学での研究にフォーカスを置いている。

日本の教育システムとの違い

博士課程取得後にアカデミアでの研究を行うことが前提として組まれてる日本の教育システムとは異なり、アメリカでは博士課程取得後に企業・スタートアップ・コンサルティング・ベンチャーキャピタル等の業界に行く選択肢も考慮され、教育システムが構築されています。それが故に、企業とのコラボがあり、Amgenからの研究者がDrug Discover Processに関するWorkshopを開いたり、Pfizerからの研究者がゲスト講師として講義を開いたり等が見受けられます。こうした企業とのコラボ以外にも、生徒がEntrepenur(企業家)になれる様にトレーニングを提供するプログラム Entrepenruship programなどもあります。

また、学生が授業料を払わなければいけない日本の博士課程とは異なり、アメリカの博士課程では5年間の給料が保障され、かつ引っ越し手当・パソコン購入費用等が支給されます。

結論

ブラウン大学のMPP programは、一般的なBiology programとは異なり、薬理学・生理学に焦点を置き、サイエンティストを育てるという非常にユニークなプログラムです。私個人としても、自分の興味がある分野で、リソースが溢れた環境で研究できるということはとてもエキサイティングで、このプログラムに参加できたことをとても光栄に思っています。

MPP programに応募を考えている方、MPP programの教育システムに興味がある方、MPP programで行われている製薬研究に興味がある方がいらっしゃいましたらどうぞお気軽にご連絡ください。

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